私の本棚 信川正順さん
「広報とよなか」2015年4月号から連載の「私の本棚」は、豊中にゆかりの著名人におすすめの本、お好きな本を紹介していただくコーナーです。隔月で掲載されます。バックナンバーはこちらへ
第11回(広報とよなか平成28年12月号掲載)
第11回は、信川正順さんの登場です。
想像すること、考えること
大学時代、いろいろな本を勧めてくれる本好きな友達がいて、私におそらく千冊は本をくれました。この本はその中でも、とても興味深い一冊です。SFの世界を、将来を含めて人類がどこまで実現できるのか。8年前の発行当時は未来の話だった重力波が昨年発見されました。この本で未来とされていたことが、次第に現実になっているのです。5年後、10年後この先も、読み返してみるときっと面白いと思います。
私はいろいろな現象や世の中の全てのことを理解したいと思って、大学で物理学を専攻しました。物理学の法則は地球上でも宇宙でも同じです。そこで現在は、宇宙エックス線望遠鏡を使ってブラックホールなどの天体を研究しています。遠い天体は近くで見ることができないので、想像して考えることが大事です。新しいことにチャレンジして、思わぬ発見をすることが宇宙研究の醍醐味です。
今では、ときどき小・中学校で出前授業をしています。子どもたちは、宇宙にとても興味を持っていろいろなことを質問してくれてうれしい限りです。ぜひとも未来の宇宙の研究者になってほしいです。
思い出の一冊

信川 正順(のぶかわ まさよし)
宇宙物理学者。奈良教育大学特任准教授。豊中市出身。平成23年(2011)第1回日本学術振興会育志賞を受賞。
文中で紹介された本
『サイエンス・インポッシブル』
図書館展示コーナーのご案内
そのほかのお勧め本
宇宙の色んなことが写真や図をつかってわかりやすくかかれています。小学生はもちろん、大人でも楽しめます。
/スティーヴン・W・ホーキング
ホーキング、未来を語る/スティーヴン・W・ホーキング
宇宙物理のポピュラーな本ですが、内容はなかなか重厚です。でも読めば宇宙の神秘が身近に感じられるようになるはずです。
(「あしたのロボット」改題)/瀬名秀明
近未来を舞台にしたロボット SF です。ロボットの「元祖」アトムが関わっているところも面白いです。
物理屋になりたかったんだよ/小柴昌俊
巨大実験を率いた科学者の情熱がかかれた一冊です。読めば科学者への考え方がきっと変わると思います。
天文学入門/嶺重慎・有本淳一 編著
(最新版はこちらです 新・天文学入門/嶺重慎・鈴木 文二 編著)
宇宙物理学入門/桜井 邦朋
シネマ天文楽入門/福江 純
信川正順さんのお薦め本は、12月の千里図書館(新千里東町)をスタートとして、各図書館内にある展示スペースに特設コーナーを設けて紹介します。
図書館巡回展示
平成28年12月 千里図書館
平成29年 1月 野畑図書館
2月 蛍池図書館
3月 岡町図書館
4月 服部図書館
5月 高川図書館
6月 庄内幸町図書館
7月 庄内図書館
8月 東豊中図書館